昨今において、大抵の場合、葬儀の後の火葬場から戻っての還骨勤行の際に、初七日の勤行を修するケースが多いですが、その際の勤行の後におはなしさせて頂くのが、下記のご法話です。
≪たった今、還骨並びに初七日の勤行を終えられて皆様方におかれましては、あらためて 故人の思い出を回想されていることだと思います。楽しかった思い出もあったでしょうが、中には辛く悲しい思い出もあったでしょう。しかし、そんな辛く悲しい思い出の中においても、故人の優しい笑顔や思いやりに満ちた言葉によって励まされたりして今日まで元気に過ごしてくることができたのではないでしょうか。
浄土真宗においても最も大切な『仏説無量寿経』というお経の中に「和顔愛語(わげんあいご) 先意承問(せんいじょうもん)」というお言葉が出てまいります。このお言葉の意味は、「和やかな優しい笑顔と思いやりに満ちた言葉をかけ、先に相手の心を汲み取って受け入れてくれる」ということです。皆様方も辛い悲しい思い出の中においても、故人の優しい笑顔と思いやりに満ちた言葉、先に私たちの心を汲み取って受け入れて下さる心持ちに励まされたりして、今日まで過ごしてくることができたのではないでしょうか。
故人はお浄土において尊い仏(ぶつ)となられたこれからも阿弥陀様とともに、私たちが悲しい時苦しい時、うれしい時楽しい時、いつ如何なる時においても、「和顔愛語 先意承問」の心持ちで私たちのことを案じて下さっている尊い存在です。残された私たちはこの思いを決して忘れずにこの思いを後々にまで伝えていくことが、故人のお徳を偲んでいくことだとも言えるのではないでしょうか。≫
いかがでしょうか。よく聞かれる言葉かもしれませんが、初七日のような席においてあらためて聞くことで、また違ったおあじわいもでてくるのではないでしょうか。 合 掌
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